前回の京都グルメ総選挙では、「湯豆腐・湯葉・生麩」が京都グルメの頂点に立ちましたが、同時に皆さんより京都グルメに関してさまざまなご意見やコメントをいただきました。
そんな中で編集部がちょっと気になったのが、「京都の丼もの」について。
京都でまちなかの大衆食堂に入り、さぁ何たべようかなぁとお品書きをみたときに「衣笠丼」「木の葉丼」「ハイカラ丼」…という表記を目にして、なんじゃこりゃ?と思った経験、ないでしょうか?
親子丼、カツ丼、天丼あたりはどんな丼ものかわかるけど…まず聞いたことないし、中身も想像がつかない!府外から京都観光に来られた方からも、よく伺うお話です。
そして今、天橋立界隈で食べられてる「ばんばらこ丼」も、注目度が急上昇中!
今日は、全国的には知られていませんが、京都府や関西地方ではポピュラーなご当地丼をご紹介します。
京都のご当地丼「衣笠丼」
京都のご当地丼と言われている「衣笠丼」。その中身は、甘辛く煮た油揚げと青ねぎ(九条ねぎ)をダシと卵でとじたものになります。おダシを吸ったお揚げさんの風味がやさしく、口当たりも良い丼もので、京都府民に愛されているご当地食なんですよ。
名前の由来は、金閣寺の近くにある“衣笠山”。この丼の見た目が衣笠山の雪景色に似ていたことから名前が付いた、であったり、三角に切ったお揚げさんを山に見立てたなど、由来には諸説あります。
ちなみに、卵でとじられていない場合は「キツネ丼」とも言われているそうです。
※お店によって微妙に違ってきますので、気になる方は注文される時に聞いてみてくださいね!
具材の深い味わいが魅力「木の葉丼」
細長く切った蒲鉾に甘く炊いたシイタケ、そして青ねぎを卵とダシでとじたものが「木の葉丼」です。丼の上に三つ葉や海苔がのるものもあります。(写真は海苔ですね)
具材を舞い散る木の葉に見立てたことから「木の葉丼」という名前が付いたようです。
実食してみたところ、いい仕事をしているのがシイタケ!甘く炊いたシイタケから旨味とダシが出ており、味わいにより深みを与えています。
この「木の葉丼」も、関西ならではの丼ものです。
底上げされたふわふわ感「ハイカラ丼」
「ハイカラ丼」は、天ぷらを揚げたときに出る天かす(揚げ玉)と青ネギを卵とダシでとじたものになります。(蒲鉾やシイタケなどが入る場合もあります。)
大阪を中心に関西で食べられている丼もので、ただの天かすではなく、野菜や魚介系などいろんな天ぷらの天かすで作られるため、お店によっていろいろな味が染み出す丼ものなんですよ。
一口食べるとわかる、これまでの卵とじ丼とはあきらかに違うほわっほわ&ふわふわ感。卵と天かすの相乗効果で、ふわふわ感が倍増。じゅんわりした優しい味わいと、ピリリと効かせた山椒の味がマッチしてこれまたとっても美味な丼ものです。
丹後地方の新名物!「ばんばらこ丼」
京都の北部・丹後地方の方言で「散らばった」を意味する“ばんばらこ”。
「ばんばらこ丼」は、天橋立界隈の飲食店で提供される丼ものの名称ですが、特に決まった形がありません。
この丼の定義は、①丹後産のお米を使用、②メイン食材も丹後産、③海の京都・丹後の魅力が詰まった丼であること、④丹後の自然と神様に感謝して作ること。
上記の4つの条件を満たしたものが「ばんばらこ丼」として、認められています。
カニや鯛、天然牡蠣に板ワカメなど、お店によって使用食材、そして姿カタチもまったく違う「ばんばらこ丼」は、丹後の旬な魚介類をふんだんに使ったオリジナルの丼もの。ぜひ、いろいろなお店を食べ歩いて自分のお気に入りを探してくださいね!
http://www.amanohashidate.jp/banbarakodon/
地域やお店によって具材や由来の解釈が多少変わってきますが、総じて大衆に愛されているご当地丼。京都の食堂でお品書きの品名に迷った時の参考にしてくださいね^^