トップ観る > 石清水八幡宮を徹底解説!まるで竜宮城のような極彩色の美しき国宝

石清水八幡宮を徹底解説!まるで竜宮城のような極彩色の美しき国宝

八幡さんといえば全国各地にたくさんありますが、京都で一番有名なのはやはり男山に鎮座する石清水八幡宮。約1200年の歴史を誇る古社だけに、見どころが超満載!
時の権力者たちが造営や修造に関わった、まるで竜宮城のような極彩色の美しき国宝の社殿や、八幡大神の使いとされるハトをモチーフにした唯一無二の御朱印や授与品。さらには、雄大な自然が織りなす四季の絶景まで、ギュッとまとめてご紹介します。

石清水八幡宮とは?

石清水八幡宮の起源とご利益

石清水と書いて「いわしみず」と読み、神社創建前に霊水「石清水」が湧き出ていたことが名の由来です。
石清水八幡宮は今から約1160年前の平安時代、平安京を守る神様として、八幡宮の総本社である九州・宇佐八幡宮から八幡大神を勧請(かんじょう)し、この地にお祀りしたことに始まります。
また、厄除けのパワースポットとしても名高く、厄年や十三参りなどの厄除け祈願に多くの人が訪れます。

本殿へは京阪石清水八幡宮駅からケーブルカーが便利!絶景も堪能

 

写真:フォトAC

宇治川、木津川、桂川、3つの川の合流点を見下ろす男山に立つ石清水八幡宮。お参りは、京阪石清水八幡宮駅直結のケーブルカーが便利です!石清水八幡宮駅と八幡宮山上駅を結び、所要時間は約3分。

春は背割堤の桜並木、秋は紅葉の男山など、ケーブルカーの窓辺から四季折々の絶景が楽しめます。

見応え抜群の歴史的建造物!10棟が国宝指定、極彩色の彫刻150点は必見

石清水八幡宮本社の10棟は国宝に指定されています。なかでも、目にも鮮やかな朱塗りをした八幡造の本殿は日本最大かつ最古とされ、石清水八幡宮のシンボル。

シカとモミジ。花札で馴染み深い組み合わせ。左側のシカと木の幹が同じような角度で反りかえらせ躍動感を演出しているそう。彫刻ながら生きているよう

歴史ある大社だけに見どころ多数。なかでも、2016年国宝に指定された御本殿・幣殿(へいでん)・舞殿(ぶでん)の約150点にも及ぶ彫刻がとってもユニーク!
こちらは日光東照宮の彫刻も手掛けるなど、江戸時代に活躍した超一流の彫刻職人、左甚五郎(ひだりじんごろう)一派の作と伝わっています。
日本人に馴染み深い動物と、まだ日本人が見たことなかった動物を、当時の職人たちがどのように表現したのか興味深いポイントです。

特に有名なのが左甚五郎作と伝わる「目貫(めぬ)きの猿」。琵琶の木の実を食べる姿は、サルカニ合戦のサルを彷彿とさせるやんちゃな顔つき。
このサル、あまりにもリアルな出来ばえだったので命が宿り、夜な夜なここから抜け出し里へ出ては畑で悪さを繰り返していたそう。このサルが抜け出さないように右目に釘を打ちつけた逸話が名の由来にもなっています。釘が刺さった右目は必見です!

祇園祭の蟷螂(とうろう)山でお馴染み、カマキリの彫刻!両肘を鎌のごとく振り上げるカマキリと武士がリンクすることから武家に人気のモチーフだったそう

石清水八幡宮の神様である“八幡大神”は、もともと九州・宇佐神宮の神様で“海の神様”だったことから、海を思い出してもらえるようにとの思いから、龍宮城を模した極彩色の社殿に。2004年から8年の歳月をかけて色の塗りなおしが行われました。創建当時にタイムスリップしたかのような感動が味わえます!

リスとブドウ。リスはお腹がいっぱいになると尻尾で身を覆うと伝えられていたので、妖怪チックなしっぽに!たくさん実がなるブドウは子孫繁栄を意味する

一般人がゾウを見ることができなかった江戸時代。職人たちが文献を頼りに作ったゾウ。ネコのような肉球がついているところがおもしろい。本殿西側外観なので、写真撮影可

甲羅があるので河童かと思いきや、こちらはサイ。こちらも職人たちが想像を頼りに作ったものと言われている。本殿西側外観なので、写真撮影可

本殿拝観は1日2回11時~、14時~解説付き。(1/1~2/3の正月期間を除く)料金は大人1000円。写真撮影は禁止となります。

石清水八幡宮とハトとのつながりを知る

ハトがモチーフ、人気の授与品&御朱印

稲荷大社はキツネ、春日大社のシカ……というように、神様のお使いは動物の姿を借りて現れます。ハトは八幡大神の使いとされる特別な存在で、ハトの「ハ」が末広がりの「八」に通じることから縁起物として古くから親しまれています。

授与所では、ハトがモチーフの愛らしい授与品がずらりスタンバイ。おすすめをピックアップします。

石清水八幡宮の一の鳥居に掲げられている松花堂昭乗が書写した扁額(へんがく)にちなみ、神職たちの遊び心から始まったという通称“鳩の御朱印”(300円)。「八」が双鳩になっている珍しい御朱印です。

授与所で「鳩の御朱印お願いします」といえば授与してもらえます。書き手により若干異なる双鳩のデザインもお楽しみポイントなんですよ。

双鳩が「八」にきれいに並ぶ、鳩みくじ(500円)。ハトは持ち帰り置物として飾っても◎

厄除けのご利益がある八幡御神矢をくわえたハトや、双鳩、男山の竹があしらわれた鳩手ぬぐい(1000円)。

石清水八幡宮限定!ポップながらも味わいのあるデザインが魅力の石清水八幡宮オリジナルマスキングテープ。各300円

石清水八幡宮の御神紋にもなっている橘。本殿に植わる2本の橘から収穫された実を3年間熟成させた芳醇なリキュールは、城陽酒造が手掛けた本格派。瀟洒なラベルが目を引きます。

四季折々の絶景と出合える石清水八幡宮

春は山一面を染める桜

画像:お茶の京都フォトライブラリー

京都の桜名所のひとつ。桜が見頃になると、山全体を約1000本の山桜やソメイヨシノが彩り、豪華絢爛な景色が広がります。3月21日から4月30日まで「男山桜まつり」を開催予定。御鎮座奉祝祭や献酒祭などの祭典行事が行われます。

初夏は竹の産地が誇る、涼しげな竹林へ

この一帯は良質の竹の産地として知られ、筍の産地としても知られています。新緑の季節を迎える頃、境内の青もみじとあわせて、見事な竹林が広がる様もお見逃しなく。

秋は深紅の紅葉と常緑樹が織り成すコントラストが見事

秋は紅葉の名所としての顔も持つ石清水八幡宮。11月中旬から下旬に見頃を迎えます。広い境内には紅葉スポットがたくさん。南総門では門の朱色と紅葉の赤が絶妙な調和を生み出します。

また、紅葉したモミジやイチョウ、ノムラカエデなどに常緑樹の緑が混ざり、美しさが一層引き立ちます。

お正月のシンボルはジャンボ御神矢

冬至の日にあわせて、迎春用のジャンボ御神矢(ごしんや)が本殿前にお目見えします。ご祭神の八幡大神の「八」にちなんで、高さは約8m!

鎌倉時代の元寇(げんこう)の際、白羽の鏑矢(かぶらや)が石清水八幡宮から飛んで行き、敵軍が退散したという逸話にちなんだ、厄除け開運・必勝祈願のシンボルです。

お正月は”ジャンボ御神矢”が出迎える石清水八幡宮へ!

いよいよ令和初のお正月が目前に!京都府内の神社はどこもかしこも初詣客を迎える準備で大忙しです。そんななか、“やわたのはちまんさん”の名で親しまれる八幡市の石清水八幡宮では冬至の12月22日(日)、迎春用のジャンボ御神矢( […]

歴史上の人物たちとのエピソードをご紹介!

男山の竹に惚れ込んだエジソン、記念碑もあり

この辺りは昔から良質の竹の産地として知られ、「八幡竹」の呼び名でさまざまなものづくりに活用されてきました。実は、男山周辺の竹が、かの有名なエジソンが作った電球にも一役買っているんですよ〜。
白熱電球のフィラメントの材料として、竹に目を付けたエジソンは、「究極の竹」を求めて世界各地へ研究員を派遣。あらゆる国のあらゆる種類の竹を集めて実験を行った結果、最も長持ちしたのが男山周辺の真竹を使った電球だったのです〜!
境内には記念碑が建てられているのでこちらも要チェックです。

▼発明王エジソンと京都の竹との深い関係はこちらをチェック

1本の竹からどうやって茶筅を作る?奥深き竹の世界に迫る

皆さん、茶筅(ちゃせん)や和傘が1本の竹から作られているということを知っていましたか?世紀の発明王エジソンの偉業である白熱電球の開発の裏に、京都の竹が関わっていたことは?京都市洛西竹林公園に併設されている「竹の資料館」で […]

武運長久の神として崇めていた武将たち、足利尊氏・織田信長・徳川家光

武運長久の神として源氏や平家らの武士から崇敬されたことにより、日本各地にたくさん八幡神社がつくられました。足利尊氏・織田信長・豊臣秀吉・徳川家光などの名だたる時の権力者が、修復や再建にも尽力した歴史を持っています。

織田信長が1579(天正7)年に石清水八幡宮の木製の樋が痛んでいることを知り、黄金の雨樋を寄進し現社殿の最初の修理を行いました。
大きな屋根が2つ連なる間に雨樋を設置。長さ21.7m、幅54cm、深さ21cm、厚み3cm。屋根の大きさに応じてこのような大きなになった雨樋。派手好きな信長らしいですが、永遠に使えるようにという理由もあったんだとか。

現在の社殿は徳川3代将軍・徳川家光により1634(寛永11)年に再建されたもの。社殿には実にさまざまな御紋が意匠としてちりばめられているなか、徳川家の家紋が参拝者の目線からは見当たらない・・・。

真ん中が徳川家の家紋・三つ葉葵

なんと!参詣者からは絶対に見えないところにポンと1つ“隠し紋”が。それは「神様の真正面に位置し、神様から一番見えるところ」にありました……。なんともしたたかな、徳川家あっぱれです。

この回廊は石清水八幡宮の臨時大祭で、12歳の平清盛が神楽奉納の舞人をした際、出演者の控室に使われた場所です。柱が多い理由は間仕切りを付けて個室の控室としたから。
また当時四角い柱が主流でしたが、舞人の高価な衣装が痛まないようにという心遣いで丸柱になったそう。
平家物語では清盛は悪人のイメージですが、意外にも本当は気遣いのできるやさしい性格だった?!ことが想像できますね。

もうひとつの石清水八幡宮・離宮八幡宮

石清水八幡宮のある八幡市から川を挟んで対岸に位置するのは大山崎町の離宮八幡宮。(石清水八幡宮から離宮八幡宮まで直線距離で約2.5㎞)もとはひとつの石清水八幡宮でした。

社伝によると平安時代、清和天皇の勅令により九州・宇佐八幡宮から分霊され、859(貞観元)年石清水八幡宮をこの地に創建。嵯峨天皇の離宮地だったことから、現在は離宮八幡宮と呼ばれています。

「石清水八幡宮」と刻まれた石灯籠や「双鳩(そうきゅう)」の意匠も見られるので、こちらも要チェックです。

■■■INFORMATION■■■
石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)
京都府八幡市八幡高坊30
075-981-3001
6:00開門~18:00閉門(正月期間は変動有り)
※お札・お守授与所は9:00~16:00
Pあり
アクセス
京阪石清水八幡宮駅から参道ケーブルに乗り換え、下車徒歩約5分
名神、京都縦貫道、京治バイパス大山崎ICから約15分

■■■INFORMATION■■■
離宮八幡宮(りきゅうはちまんぐう)
075-956-0218
京都府乙訓郡大山崎町大山崎西谷21−1
6:00開門~17:00閉門
※お守りの授与は9:00~17:00
Pあり
アクセス
石清水八幡宮から車で約15分
阪急大山崎駅、JR山崎駅から徒歩約5分
名神、京都縦貫道、京治バイパス大山崎ICから車で約5分

同じカテゴリの記事

【2023】京都府内の知って欲しい桜の“絶景”スポット

【2023】京都府の夜桜ライトアップ〜幽玄な春の宴への誘い〜

【京都歴史探訪】紫式部ゆかりの地を訪ねて

石清水八幡宮を徹底解説!まるで竜宮城のような極彩色の美しき国宝

公式アカウントをチェック!

ページトップアイコン