昼と夜の長さが等しくなるといわれる、お彼岸の中日(春分の日)。この日は、春の暖かさが増し、まさにお出かけ日和。以前、石仏ハイキングで訪れた浄瑠璃寺では、この日に特別な御開帳があるとか。さらに今年は特別なことが重なり、プレミアム感が倍増するそうです。ぽかぽか陽気の下、ハイキングと合わせて出かけてみませんか?
この世と極楽浄土が向かい合う…浄瑠璃寺の庭
まずは「浄瑠璃」という、美しいお名の由来について。三重塔に安置されている薬師如の浄土「東方浄瑠璃世界」にちなんでいます。上の画像は浄瑠璃寺のパンフレットからお借りしたものですが、こちらを見て分かるように、東に薬師如来がおられる朱塗りの三重塔があり、宝池を挟んで西側に阿弥陀如来九体を安置する本堂があります。この配置は前世の苦悩を薬師如来が救い、阿弥陀様のいる西方浄土へ送りだすという構図。つまり三重塔側が此岸(しがん)で、本堂側が彼岸。まさに極楽浄土へ導く姿を現したお庭です。
そんな浄瑠璃寺で今年のお彼岸の中日に、どんなプレミアムなできごとがあるのか。順番にご紹介していきますね。
プレミアム感―その1 九体全て揃うのは、次は5年後
浄瑠璃寺の創建は平安時代の1047年。本堂に九体の阿弥陀如来坐像を安置することから、九体寺(くたいじ)とも呼ばれてきました。このような九体の阿弥陀如来を安置する阿弥陀堂は平安時代、貴族たちによって沢山、建てられたのですが、現在、残っているのは、ここ浄瑠璃寺だけ。大変、貴重なお寺です。
そしてさらに今年の7月から阿弥陀如来様が順番に修理に入るため、九体揃うのは今年が最後。修理が終わるのは5年後だそうです。これは今のうちに見ておかないとけませんね。
プレミアム感―その2 太陽が真東から真西へ沈む極楽浄土の世界
先ほど、少しだけ触れたように、お彼岸の中日(春分の日)は昼と夜の長さが等しくなるだけでなく、太陽が真東から出て真西に沈む日。浄瑠璃寺は三重塔が真東、本堂が真西にあることから、この日、お庭から太陽を見ると三重塔の後ろから朝陽がのぼり、本堂の後ろに夕日が沈むのです!! まさに訪れるだけで極楽浄土へ導いてくれそうです。
プレミアム感―その3 秘仏・薬師如来像 御開帳
三重塔に安置されている薬師如来像は毎月8日(1月は別)、お彼岸の中日のみに御開帳される仏様です。太陽の上る東におられることから「遣東(けんそう)の如来」ともよばれているんですよ。天気が悪いと御開帳は中止になってしまうのだとか。どうか晴れますように!!
プレミアム感―その4 あの絶世の美女・吉祥天に合える!
浄瑠璃寺の吉祥天立像といえば、かの、みうらじゅん氏も絶賛する美女。お厨子に納められた秘仏ということで美しい彩色が残っています。高さ90㎝という小さな仏様で、ふくよかなお顔がかわいらしい少女のよう。公開は1月1~15日、3月21日~5月20日、10月1日~11月30日と年3回。いつもは、公開日がお彼岸の中日(春分の日)の翌日にあたることが多いのですが、ことしは中日に! お薬師様と吉祥天が同時に拝見できますね。
プレミアム感―その5 馬酔木の花が見ごろ
浄瑠璃寺は春の桜から始まりアヤメ、アジサイ、萩、水仙など一年中花が美しいお寺でもあります。今の季節は馬酔木(アシビ)。
境内だけでなく、参道の馬酔木も見事。辺りは花の良い香りが広がります。
さあ、木津川市にある浄瑠璃寺に行こう!
京都府木津川市加茂町西小札場40
電話 0774-76-2390
拝観時間 9:00~17:00(12月~2月は10:00~16:00)
拝観料 400円
交通 加茂駅からコミュニティバスあり
★浄瑠璃寺もコースに盛り込んだ木津川市の仏像ハイキングもオススメです^^