JR亀岡駅から山へ向かってバスに揺られること30分。湯の花温泉を抜けた先、田んぼの中に民家が点在する、のどかな集落に明智光秀ゆかりのお寺・谷性寺があります。お寺の前には光秀ゆかりの「ききょうの里」があり、まさにこれからが見ごろ。
そして光秀といえば、2020年の大河ドラマに決定した、今もっとも旬な武将でもあります。光秀の人柄に思いをはせながら、ゆかりの寺とキキョウを見にでかけませんか?
明智光秀ゆかりの寺へ
谷性寺(こくしょうじ)があるのは、猪倉バス停から徒歩5分。田んぼが広がる、のどかな猪倉集落に立っています。
お寺の創建は平安時代といわれ、ご本尊は不動明王像(秘仏)。他に阿弥陀如来立像、大日如来など様々な仏さまが安置されています。そしてこちらは別名「桔梗寺」「光秀寺」ともよばれ、明智光秀に縁のあるお寺なのです。
というのも本能寺で織田信長を攻め、山﨑の合戦で豊臣秀吉に敗れた光秀は滋賀県坂本城へ退却する途中、伏見の小栗栖で農民に襲われます。
そして家臣・溝尾庄兵衛が介錯、その首を光秀が信仰していた谷性寺に埋めるよう部下に命じ、再び戦場に赴きました。後に近臣が首を掘り出し谷性寺に手厚く葬ったと伝わっています。
ところで訪れてみて思ったのですが、光秀が治めた丹波亀山城があったのはJR亀岡駅のすぐ近く。しかし、同寺はバスでも30分かかるという山の中。お城の近くにも沢山のお寺があったはずなのに、どうして光秀は同寺を信仰したのでしょうか。
光秀が訪れていた当時、お寺は山の上にあったのですが、江戸時代に雷による火災で焼失。現在の地に移築されました。ゆえに残念ながら当時の資料などはほとんど残っていないのでとしながらも、ご住職がおっしゃるには…
「お坊さんが来られては何年かして出て行かれるのを繰り返しているお寺のようで、それをみますと、どうも修行のお寺だったのではないかなと思っています」とのこと。もし、そうだとしたら、そのようなお寺の御本尊である不動明王を信仰した明智光秀という武将としての人柄が、少し垣間みえるような気がしました。
さて、同寺にはもう一つ、光秀ゆかりのものがありまして、それがこちらの「明智山門」。
もともとはお城近くの西願寺にあったのですが、廃寺になる折、門に桔梗紋が付いることら谷性寺に移築されたのだとか。非常に簡素ですが長年の風雪に耐えてきた重みと歴史を感じさせる門でした。
光秀といえば、キキョウ! 白に紫、八重に揺れるキキョウを見に行こう
さて、お寺の前には、光秀ゆかりのキキョウにちなんだ「ききょうの里」があり、2019年は6月29日(土)~7月21日(日)まで公開しています。
その数、なんと5万本!! 紫や八重、白に珍しいピンクや沢キキョウなど様々な品種が咲き乱れます。
期間中は谷性寺で光秀にまつわる史料を展示する「明智光秀展」、さらに物産品直売所では地元農家のとれたて野菜や特産品の販売もあるそうですよ。
さらにキキョウの開花に先立ち、今、園内はユリや半夏生(はんげしょう)、ギボウシにアジサイが満開。そこでプレオープンとして6月22日(土)から、これらの花々が公開されます。
中でもアジサイやギボウシの群生は見事! おすすめです。
ところでキキョウの花言葉は「誠実な愛」なんですって♡ 側室を置かず一生、正室の熙子(ひろこ)夫人のみを愛した光秀。キキョウの花言葉そのままですね。光秀にゆかりあるお寺と美しいキキョウや初夏の花を見に出かけませんか~?
谷性寺
京都府亀岡市宮前町猪倉土山39
℡ 0771-26-2054
拝観 9:00~17:00
ききょうの里
★本オープン:2019年6月29日(土)~7月21日(日)
9:00~17:00
京都府亀岡市宮前町猪倉 谷性寺門前
℡ 0771-26-3753(現地番号、開園期間のみ)
入場料 600円(中学生以上)
★プレオープン:2019年6月22日(土)~28日(金)
9:00~17:00
入場料 300円(中学生以上)