気づけば、今年も残すところあとわずか。いよいよ新しい年を迎えますね。来年の干支は子年です。そこで今回は、全国約8万社ある神社のなかでも珍しい狛ねずみが鎮座する、京都市左京区の大豊神社(おおとよじんじゃ)をご紹介。初詣にぜひ出かけてみてはいかがでしょうか?
京都・東山、哲学の道近くに佇む大豊神社
市バス停「宮ノ前町」「東天王町」下車がおすすめ
大豊神社は、市バス停「宮ノ前町」から徒歩約8分、「東天王町」から徒歩約10分、京都を代表する観光地・哲学の道の南端にあります。2匹のねずみが描かれた大きな絵馬が神社の目印。哲学の道を横切って緩やかな坂を登れば、豊かな緑に囲まれた大豊神社へと到着します。
神社の創建は、平安時代初期の仁和3年(887)。宇多天皇の病気平癒を祈願するため、藤原淑子が薬の神様・少彦名命(すくなひこなのみこと)を、東山三十六峰の第十五峰目に当たる椿ヶ峰に奉祀したのが起こりだと伝えられています。
寛仁年間(1017~1020)には、椿ヶ峰から鹿ヶ谷へと遷され、以来この地域一帯の産土神として、現在に至るまで信仰を集めているそうです。境内には、円山公園と同じ品種だというしだれ桜やしだれ紅梅、そして約50品種もの椿が植栽され、参拝した人を楽しませています。
どうして「狛ねずみ」があるの?
かわいい二体の狛ねずみがお出迎え!
狛ねずみがあるのは本殿ではなく、そこから東へ少し歩いた先にある大国社に鎮座しています。
向かって右側のねずみは学問を象徴する巻物を。
向かって左側のねずみは、万物の根源である水玉を抱えています。
それにしてもなぜ狛犬ではなく狛ねずみなのでしょうか。
大国主命、絶体絶命のピンチ!救ったのは…。
その答えは「古事記」にあり!
大国社の祭神として祀られているのは、出雲大社の祭神としても知られる大国主命です。日本最古の歴史書『古事記』によると、あるとき、素戔嗚尊が大国主命の力を試そうと広い野原に立たせて草に火を放ちました。火はすぐに燃え広がり、大国主命は窮地に。このとき、一匹のネズミが大国主命の前に現れ、「この下に穴があるよ!」と教えたそうです。大国主命は穴にもぐることで、絶体絶命のピンチから逃れることができたのだとか。まさに大国主命にとって、ねずみは「命の恩人」。今もこの社では、2体のねずみが対になって大国主命を守護しているんです。
ここは、「狛○○」のワンダーランドや!
鳶・猿・蛇…、かわいい動物たちに会いに行こう!
境内の末社には、狛ねずみ以外に様々な動物がいるんです。
例えば…
愛宕社には、天狗のモチーフにもなった狛鳶(とび)。
愛宕社の隣にある日吉社には、ユーモラスな狛猿が出迎えてくれます!
こちらは、治病健康長寿と金運を司る狛蛇。噛むことはありませんので、どうぞ安心してお参りしてください(笑)。
稲荷社に鎮座する動物といえば、狐ですね。
もちろん、狛犬だっています!
最後に御利益もしっかりいただこう!
思わず手にしたくなるキュートなお守り!
参拝を終えたあと、御利益もしっかり持ち帰りましょう。狛ねずみにちなんだ授与品も多くフォルムもカワイイものがいっぱい!お参りに行けなかった人にもきっと喜ばれるはずです!
前回の子年(2008)の時には、お正月の期間だけで数万人もの人が訪れたという大豊神社。多い時には数百メートルにわたって列ができ、参拝を終えるまで1~2時間かかったとのこと。ぜひしっかりと防寒対策をしてからお参りするのをおすすめします!
■■INFORMATION■■
大豊神社(おおとよじんじゃ)
075-771-1351
京都市左京区鹿ヶ谷宮ノ前町1
境内自由
市バス「宮ノ前町」から徒歩約8分、市バス「東天王町」から徒歩約10分