京都は発酵食品のメッカ!味噌、しょう油、お酢、お漬物、日本酒などあらゆる発酵食品の老舗がひしめいています。KYOTOSIDE編集部は「京北に究極の発酵食品がある!」という情報をキャッチ。
納豆発祥の地のひとつといわれている京都市右京区京北山国(やまぐに)地区にある「山国さきがけセンター」を訪ねてきました♪ 原材料の栽培から加工、製造、販売までほぼすべて自社で行い、安心安全で美味しい、発酵食品を取り扱っています。
お取り寄せもできる!京北で育まれた絶品発酵グルメ
食べてみたら、後戻りできないかも。まずは気になる商品をご紹介します。おすすめを営業主任の草木さんにチョイスしていただきました。
塩で食べるのが京北流!山国納豆
納豆ファンにぜひ一度、食べていただきたい山国納豆。粘りと大豆の味をしっかりと楽しむなら塩を一つまみ入れていただくのが京北スタイルです。My納豆鉢でいただきます~。
納豆臭さや大豆の青臭さやえぐみなどが一切なく、大豆のふくよかな甘みとコクが存分に味わえる逸品です。あっさり食べたい方には、しょうゆか出汁がおすすめとのこと。
豆は一般的な小粒ではなく大粒。食べ応えだけでなく、大豆の本来の美味しさを発見することができる納豆でした。
価格:2個パック入り200円(京北エリア内価格)
※税込み価格、販売店によって価格は異なります(以下同)
これぞ京北のソウルフード!元祖・納豆もち「あみがさ」
ソウルフードとして京北で受け継がれてきた「納豆もち」。こちらは手のひらにちょうど乗る10センチほどの大きさです。
ちなみに京北の各家庭では正月に納豆餅をお雑煮の代わりに食べる風習が。なんとお正月用は30センチもあるんですよ!
編み笠の形に似ていることから名付けられた商品名「あみがさ」。(通常冷凍販売)
砂糖入りとプレーンの2種類を販売。わたしのお気に入りは砂糖入り!納豆に砂糖の組み合わせは生まれて初めて。
大豆のふくよかな甘みと砂糖の甘み、そこに納豆の塩気やきな粉の香ばしさが加わり、絶妙なハーモニーを奏でています。
通常は冷凍販売ですが、イベントのときはできたてを販売することもあるそう。
価格:1個300円(京北エリア内価格)
切り餅タイプの「納豆もち」もある
こちらは餅に納豆を搗き込んだ「納豆もち」。納豆の香ばしさもご馳走なのでちょっぴり焦げ目をつけるとよりおいしくなりますよ。
バランスのよい塩味と納豆の旨みが病みつきに。ネギとも相性がよさそうなので、たこ焼きの具材としても活躍しそう。
価格:5個入り430円/9個入り700円(京北エリア内価格)
リピーター多し!京都市の小学校給食にも「まごころみそ」
京都市の小学校給食や京北エリアの飲食店で使われているのがこちらのお味噌。大豆とお米の半々で作った赤味噌(田舎味噌)は、1年かけてじっくりと自然熟成した生味噌です。
赤いお味噌が苦手な私は普段、少し甘めの麦味噌を使っているのですが、なんとこのお味噌、色味とは裏腹に大豆の甘みとしっかりしたコクも味わえるとてもバランスのよいお味噌でした。もう手放せません(><)
「夏場の食欲が落ちたときには、夏野菜の味噌炒めやニンニクやショウガ、ネギを合わせたおかず味噌にするとご飯が進みますよ」草木さん。
価格:小500円/大1000円(京北エリア内価格)
美山の人気ジェラート店とコラボ「納豆ジェラート」
試食したのは納豆ジェラート。表面がネバネバしているのがわかりますか?手の温度で少し溶かして練るとトルコアイス風になって子どももテンション上がります。
山国納豆を細かく刻んで、フレッシュな美山牛乳と合わせた納豆ジェラート。味を例えるならば、そう、塩キャラメルとナッツのジェラート。こんなにも納豆と牛乳の相性が良かったとは新発見!美山で人気の「美山のめぐみ牛乳工房」とのコラボ商品です。
価格:なっとう・きなこ各400円(京北エリア内価格)
「納豆もち」が昔ながらのおせんべい&あられに!
冬の時期に自然乾燥させた納豆もちを油で揚げるとおせんべいに大変身。ソフトな食感とくちどけの良さが老若男女に愛されるポイントです。ついつい手が伸びてしまう素朴な味わい。
価格:310円(京北エリア内価格)
「納豆もちあられ」は塩、塩コショウ、青のりの3種類。こちらは歯ごたえを楽しんで。おつまみにもぴったり。
価格:310円(京北エリア内価格)
山国さきがけセンターは土日祝が定休日のため、すぐ近くの道の駅・ウッディー京北でも同じ商品を委託販売しています。
京北の郷土食を全国に広めて地域ブランドを確立したい
山国さきがけセンターの代表取締役・田中章仁(あきひろ)さんにお話をおうかがいしました。
―――京北生まれ、京北育ちの田中さんに質問です。京北は納豆発祥の地の一つといわれていますが、子どものころから納豆食べていました?
もちろん、いつもたべていましたよ。昔はこのあたり基本的に自給自足だったので、納豆や味噌、醤油は自家製。各家に醸造する部屋がありました。
稲わらに納豆菌がいるので「わらつと」という稲わらを束ねたものに大豆の煮豆を入れておくと納豆になるんです。今でも京北の家庭では、わらつと納豆を作っているところもありますよ。
――――昔の関西人はあまり納豆を食べる習慣がないイメージで、さらに京都の人でも京北と納豆がリンクしないかなと。
昔から自分の家で食べる分だけ作るだけで、売ろうって人がいなかったからなのか、納豆や納豆餅が京北の郷土食であり特産品ということはあまり知られていませんよね。京北にしかない食文化をぜひ知っていただきたいですね。
―――まさに知る人ぞ知る郷土食ですね。会社の成り立ちを教えてください。
山国さきがけセンターは、京北の特産品で町を活性化させるために、地元の人々によって立ち上げられた会社です。今年で創業20年。今では約30名のスタッフを抱える地元企業となりました。原材料の生産から、加工製造、販売までほぼ一貫して(6次産業化)京北でがんばっています。
―――美味しさの秘訣は?
手間暇かけて育てた原材料を地元に伝わる昔ながらの製法で加工・製造し、安心・安全な体にやさしくかつ美味しい発酵食品や郷土料理に仕上げています。テレビでも紹介されたり、大手スーパーからの大口の注文が入ったりと徐々にファンも増えてきているので地域ブランドとしての手応えを少しずつ感じています。
―――今後の目標は?
やはり、もっともっと京北の発酵食品や郷土食の魅力を全国の方に知っていただき、地域を元気にしたいですね。そして個人的には何度も京北に足を運んでいただけるような農業体験イベントもやっていけたらいいなと思います。
京都・京北が納豆発祥の地!?
京北エリアってどんなとこ?
京都駅から北へ約30キロ(車で約1時間)、京都市右京区京北は人口約5000人。「北山杉の産地」として知られています。
土地面積は大阪市とほぼ同じ。森林が9割を占めています。ありのままの雄大な自然が残る場所でありながらも、京都市街地までは40分ほど。気軽に里山暮らしを楽しめる便利な田舎です。
「納豆餅」は平安時代から京北のソウルフードだった
京北では納豆は伝統食とされ、正月はお雑煮ではなく納豆餅を祝い餅として食べる風習が残っています。
納豆餅の起源は平安時代とも。平安京遷都に伴い御所を造営するための木材を、京北の山々から切り出した木こりや、木材を京へと運搬する筏師がお弁当として携行していたのが「納豆餅」といわれています。
また幕末の戊辰戦争で官軍側につき活躍した山国村の農兵隊「山国隊」も郷土食として好んで食べていたんだとか。
海あり森あり茶畑あり…と、自然の恵みいっぱいの京都府にはまだまだ地元の人しか知らない郷土食が数えきれないほどあるはずです!これからもどんどん発掘していきますので、皆さんの情報お待ちしています。
Information
075-853-0572(※電話注文も可)
京都市右京区京北塔町宮ノ前23
9:00~17:00
土曜・日曜・祝日定休(※定休日は最寄りの道の駅・ウッディー京北で商品購入可)
webショッピングはこちらから山国さきがけセンター あみがさもち 惣菜 | G-Callショッピング