2021年の4月末、京都市内の中心部・河原町エリアに、お茶サロン「麩屋柳緑(KYOTO FUYA RYU-RYOKU)」がオープンしました。なんとこちら、京都府唯一の村・南山城村の上質なお茶を楽しみつつ、「日本茶の魅力」を体感できる、新しい形態のお店なのだそうです。
一体どのようなお店なのでしょう??
緊急事態宣言下では画像、文章でお楽しみください。あけたらぜひ、現地へお越しくださいね。
※飲食時の「#きょうとマナー」にご協力ください。
「麩屋柳緑」ってどんなお店?
お茶サロン「麩屋柳緑(ふやりゅうろく)」は、大正~昭和初期の京町家をリノベーションした建物で、1Fが南山城村にある道の駅の商品をはじめとする南山城村の村茶に特化した商品を扱ったショップ、2Fが村茶や和紅茶とともに魅力あふれるスイーツを楽しめるカフェになっています。
名前の由来は、お店がある麩屋町通りの「麩屋」と、禅語「柳緑花紅(りゅうりょくかこう:春の美しい風景を形容する言葉)」をかけ合わせたものだそうで、「京都麸屋町通にある、あるがままの自然体の村のお茶」という意味だそうですよ。
まずは、1Fからご紹介。
南山城村は、宇治茶の主産地として京都府内第2位の生産量を誇ります。南山城村のお茶は、この地域特有の薫り高い良質な春摘みの茶葉で「村茶(むらちゃ)」と称されています。シングルオリジン(単一農園、単一茶種)であり、茶農家ごとの個性を楽しめる=生産者さんの顔が見える商品が魅力です。
ここでは、これまで現地や催事でしか目にする機会がなかった南山城村の「村茶」を飲んだり、買ったりすることができます!!
高品質なお茶の生産地なのに南山城村の知名度が低いのには、理由がありました。宇治茶の原料として流通していた村のお茶はブレンドされており、南山城村がお茶の名産地であることは周囲にあまり知られていなかったのです。
そんな村茶のPRに一役買ったのが、2017年のオープン時にかなり話題となった道の駅「お茶の京都みなみやましろ村」です。この道の駅で人気の、村茶を使ったご当地商品・村抹茶ソフトクリームやむらちゃプリン、パウンドケーキなども、麩屋柳緑で買うことができます。
村抹茶ソフトクリームは「ひんやりスイーツ総選挙2019」で西日本1位に輝いたスイーツで、濃厚な抹茶味にリピーターが続出の大人気商品。店内にはイートインスペースもあるので、坪庭を見ながら頂くことも出来ますよ。
ですが、ぜひここで味わっていただきたいのは、やはり「村茶」。
南山城村のお茶は、「煎茶」と、煎茶と玉露のちょうど中間に位置する「かぶせ茶」が代表的な茶葉だそうです。標高500メートルの秘境で育まれた上質な茶葉、中でも鮮やかな緑色で、甘い香りとまろやかな旨味を持つ南山城村の「かぶせ茶」は、ぜひ味わっていただきたい逸品。麩屋柳緑では小分けになった茶葉が買えるので、おうちで手軽に村茶を味わうことができますよ。
2Fは日本茶カフェ「naturam RYU-RYOKU by Kazuya Sugiura」です。
東京の二子玉川にある一軒家レストラン「naturam(ナチュラム)」のオーナーシェフである杉浦和哉さんが監修するカフェで、南山城村の茶葉を使用したスイーツとドリンクのマリアージュを楽しむことができます。
オープンキッチンを囲むカウンター15席のみの店内では、京町家の趣も感じられます。(現在コロナウィルス感染症対策のため10席のみ)
こちらが看板メニューの「RYU-ROKU(リュウリョク)」です。
メインとなるのは南山城産の茶葉“おくみどり”のテリーヌ、そこに美山牛乳を使ったアイスクリームが添えられ、抹茶のクランブルやチョコレート、泡立てた抹茶ミルクがかかったなんとも美麗なスイーツなんです。目でひとしきり愛でた後、スプーンやフォークを使って混ぜて(!)いただきます。芸術品のようなスイーツなので、崩しちゃうのはもったいないな……と思いつつも、教えてもらったとおり混ぜて一口パクリ……口の中に広がったのは、とろけるようなテリーヌの食感とミルクフォームのふわっとした口溶け、絶妙な抹茶のほろ苦さ、まさに口福の味でした。
こちらのスイーツは、杉浦さんが南山城村を訪れて知り合ったいろんな生産者さんとの出会いを通じて感じたインスピレーションを元に考案したスイーツだそうです。京都府産の素材を使用した、南山城村とともに京都府を味わえる絶品の一皿でした。
こちらで頂けるスイーツは、「一皿の上で表現する日本の四季」がコンセプト。このお店でしか食べられない、五感で味わう京都×フレンチのメニューはどれも芸術品のようです。
スイーツとのマリアージュのために用意されているお茶も珠玉のラインナップ。
煎茶、ほうじ茶、同じ茶葉から作られている和紅茶、水出し煎茶にお抹茶も。どれと合わせようか迷った時はぜひ、お店の方に聞いてみてください。
2階のスペースは、今後スタジオとしても活用するようで、麩屋柳緑と親和性のあるキーワードをテーマにした配信番組やイベントを実施していくそうですよ。
2Fの日本茶カフェ「naturam RYU-RYOKU by Kazuya Sugiura」は現在、予約制で営業中です。
予約は公式インスタグラムのプロフィール欄URLまたは、
こちらの予約フォームより:https://airrsv.net/fuya-ryu-ryoku-yoyaku/calendar」
「日本茶文化を届けたい」思いと出会いから生まれたサロン
この「麩屋柳緑(KYOTO FUYA RYU-RYOKU)」が誕生した背景には、さまざまな人の思いがありました。
東京に本社を置くライフスタイルマーケティング企業・株式会社セイムペイジの栗原社長は、茶葉からお茶を淹れる文化が減少している現状を目の当たりにし、「日本茶に特化した文化を国内、世界に伝えたい」という思いのもと、パートナーシップを結べる日本茶の産地を探していました。
日本茶の文化を語る上で、宇治茶は欠かせない存在です。宇治茶の800年の歴史とともに、その一大産地である南山城村と、その村で道の駅を中心に生産者さんの顔が見える村茶商品を製作しながら町おこしを行っている森本さんとのご縁が繋がります。
日本茶の文化を国内外に届けたいという栗原社長の思い、上質な宇治茶の生産地・南山城村の森本さんとのパートナーシップ、そして栗原社長が日頃より信頼しているフレンチシェフ・杉浦さんとのタッグ、ここで生まれたワンチームが、日本茶文化を体現する場所を作るため繋がりました。
2020年にプロジェクトがスタートし、秋には栗原社長や杉浦シェフが南山城村の現地を訪問、茶農家さんや村の人々と交流を持つ中で、ショップやカフェの形態、そしてメニューなど、「麩屋柳緑」がどんどん形づくられていったそうです。
小さな南山城村から日本全国、そして世界へ
森本さんに「麩屋柳緑」についてお話を伺ったところ、
「常設で南山城村のお茶を味わってもらえるところが京都市内にできたことは非常に大きく、村から京都市内、京都市内に来ている他地域の方々に南山城村のものを味わってもらったり、お土産として持って帰ってもらうことで更に興味を広げてもらい、京都市内から南山城村にお越しいただけるようなファン作りをしたいです。ぜひ、南山城村の道の駅にも来てくださいね」
と語ってくれました。
南山城村と、国内外をつなぐハブ的な場所、それが今回できた「麩屋柳緑(KYOTO FUYA RYU-RYOKU)」です。
村を飛び出し、国内、そして世界へ。南山城村の新しい挑戦は、今後も要チェックです。
■■INFORMATION■■
麩屋柳緑(KYOTO FUYA RYU-RYOKU)
住所:京都市中京区麩屋町通六角上ル白壁町439
営業時間:11:00-18:00
定休日:水曜日(祝日の場合は翌木曜)
アクセス:京都市営地下鉄東西線「京都市役所前駅」から徒歩4分
HP:www.ryu-ryoku.kyoto
【新型コロナウイルス感染症対策】
2Fの日本茶カフェ「naturam RYU-RYOKU by Kazuya Sugiura」は現在、予約制で営業中です。
予約は公式インスタグラムのプロフィール欄URLまたは、
こちらの予約フォームより:https://airrsv.net/fuya-ryu-ryoku-yoyaku/calendar」