皆さん、「ポポー」という果実をご存知でしょうか? 最近、新聞やニュースで話題になったので、聞いたことがある方もいるかもしれません。
普段あまり聞き慣れない名前のフルーツですが、その味は“森のカスタード”と例えられているほど美味なんですって。メインの収穫時期は9月中旬〜10月上旬頃。
ポポーとは一体どのような果実なのか……京都府内で栽培・販売しているところがあると聞き、早速、編集部は現地を訪れてみました。
北アメリカ原産の濃厚なフルーツ
訪れた先は、“かやぶきの里”でも知られる京都府南丹市美山町にある道の駅「ふらっと美山 特産品直売所」。
こちらに毎年秋、ポポーを出荷しているのが、同じ美山町に住む菅井麻貴さん。連絡をとって、ご自宅にあるポポーの木を見せていただきました。
これがポポーの木、大きくて立派な木ですね~。ポポーの原産は北アメリカだそうです。熱帯や亜熱帯性に属するバンレイシ科の果樹ですが、この科の中でもポポーだけが唯一、マイナス30℃くらいまで耐寒性があるのだそうです。木に近づくとバナナのような甘くて濃い南国フルーツのような香りがしてきました。
この木を植えたのは菅井さんの曾祖父。ゆえに今となっては、なぜ北アメリカの果樹をここに植えたかなど詳しいことは分からないそうですが、伝え聞く話によると戦後、美山町の名産になれば……と何軒かでポポーの木の苗を買って植えたのだとか。なので、今も美山町の数軒の家ではポポーが育てられているそうです。
チョコレート色の花が咲く
ポポーの開花は3月下旬~5月上旬頃。チョコレート色をしたとてもきれいな花が咲きます。(菅井さん撮影)
木の上でバナナのような房状に育ち……
9月中旬から10月上旬頃、熟すと木から落ちます。2、3日してから触ってみて、ちょっと柔らかくなっていたら食べ頃。
緑色をした皮の中には鮮やかな果肉が
早速、いただいたポポーの実を食べてみることにしました!
真ん中に大きな種があるそうなのでアボカドのように縦半分に、ぐるっと切れ目を入れ、捻るように半分にしてカットしてみました。包丁を入れる前から、ものすごく良い香りがしていたのですが、カットするとさらに周囲に甘くて濃厚な独特の香りが広がります。
中はこのような感じ。オレンジ色の柔らかい果肉です。スプーンですくって食べてみると、びっくりするほどクリーミー!!
確かに“森のカスタードクリーム”と呼ばれるのも納得です。味はバナナとマンゴーを足したような感じで、種の所が少しゼリー状になっていました。
菅井さんは、子供の時からそのまま食べていたそうですが、冷凍してみても美味しかったですよ。“森のアイスクリーム”と呼ばれることもあるようです。
菅井さんによると今年も10月上旬ぐらいまでは販売できそうとのことです。1パック、約300gでお値段は350円ほど。森の京都エリアの道の駅でも販売していました。皆さんも見かけたら、ぜひ食べてみてくださいね!
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ふらっと美山
京都府南丹市美山町安掛下25
℡ 0771-75-0815
営 8:30~18:00
休 第3水曜日、1~3月は毎週水曜日、8・11月は無休